Granola とライブノートの比較(2026):どちらもボットなし。違いは「音声がどこへ行くか」

2026 年に「いい AI 議事録ツールは?」と十人に聞けば、半分くらいは Granola と答えるでしょう。当然の結果です。このカテゴリの多くが間違えたことを、Granola だけは正しくやったからです。会議にボットを送り込まない。

参加者一覧に「◯◯ Notetaker」という第三者が座ることもなく、赤い録画マークもなく、取引先に「あの参加者は私の録音ツールです」と説明する必要もありません。Granola はパソコン上でマイクとシステム音声を直接取り込みます。いつも通り会議をして、終われば整理されたノートが手元に残る。画面は洗練され、要約の質も高く、ワークフロー連携もよく考えられています。人気には理由があります。

しかし「ボットなし」は問いの半分にしか答えていません。残りの半分は、その音声はどこへ行き、どこに残り、通信のない場所でも使えるのか、そして部屋の全員が同じ言語を話すとは限らないとき何が起きるのか、です。

この記事では、その後半の問いで Granola と Traverba のライブノートを並べます。立場は先に明かします。Traverba は私たちの製品です。ですから以下の比較にはすべて検証できる根拠を添え、Granola のほうが優れている点もそのまま書きます。


まず、Granola の優れている点

公平のために。乗り換える前に「何を手放すことになるか」を知っておく価値があります。

  • 設計思想としてのボットなし。 後から足したモードではなく、初日からの既定動作です。
  • 会議音声を保存しない。 デスクトップはリアルタイムに、モバイルは一時キャッシュから事後に文字起こしし、最終的に残るのは文字起こしとノートだけ。音声をまるごと長期保存するツールが多いなかで、これは抑制的です。
  • 「自分が書いた要点」と噛み合う要約。 会議中に殴り書きしたメモが要約の重心を決めるので、画一的なテンプレートに埋もれません。
  • デスクトップ優先で、対応端末が広い。 パソコンとスマートフォンに加え、2026 年 7 月には Android 版、さらに腕時計向けアプリも登場しました。
  • 連携が深い。 有料プランではノートツール、顧客管理システム、チャット、自動化基盤とつながり、業務の型が固まっているチームに向きます。

会議がすべてパソコンの前で行われ、すべて英語で、しかも音声をクラウド事業者に渡すことが組織として承認済みなら、Granola は良い選択で、この記事はここで終わっても構いません。

問題は、多くの人の会議がそういう形をしていないことです。


四つの壁

壁その一:ボットなしは、クラウドなしを意味しない

このカテゴリで最も混同されやすい点です。「ボットがいるか」は音声の取り込み方の話。「どこで処理するか」は音声が端末を離れるかの話。この二つは別々の問いです。

Granola は前者に見事に答えました。後者への答えは、クラウドです。端末で取り込んだ音声は暗号化された通信で Deepgram や AssemblyAI といった外部の文字起こし事業者へ送られ、その文字起こしとノートの文脈が OpenAI や Anthropic といった AI 事業者へ渡って要約が生成されます。できあがった文字起こしとノートは米国のクラウド環境に保存されます。プライバシー保護は主に契約と設定によって支えられています。外部事業者は契約上あなたのデータで学習できず、Granola 自身は既定でデータをモデル改善に使い、設定から自分で除外できます。

いずれも妥当で一般的な運用です。ただし「学習から除外できます」という一文が成立する理由に注意してください。そもそもデータが相手の手を通っているからです。会話によっては、その前提の時点で成り立ちません。

  • 法務、人事、取締役会、企業買収、医療、内部調査
  • 「この内容は外に出せない」と取引先が明言した商談
  • 情報システム部門や法務部門が、音声の国外サーバーへの送信を明確に禁じている組織

こうした場面では「ボットなし」はありがたくても十分ではありません。本当の境界線は、音声が端末を離れたかどうかです。

Traverba のライブノートは、既定でオンデバイス処理です。 文字起こしはあなたのスマートフォン上で動き、ノートを作るために会議音声がどこかへ送られることはありません。事業者のサーバーもなく、データの保管国を審査する必要もなく、除外すべき学習もありません。(一部の高度な機能はクラウド AI を選べますが、それは自分で入れるスイッチであって既定ではありません。)

壁その二:通信がなければ、ノートもない

処理がクラウドにあるため、Granola にオフラインの文字起こしはありません。デスクトップ版はノートを手元に保持して閲覧と編集ができますが、文字起こしと要約には通信が要ります。

つまり、地下の会議室、厨房と人混みに電波を吸われるホテルの宴会場、機内、工場の現場、通信が不安定な出張中の数時間、そして知らない無線ネットワークにはつなぎたくない場所では力になりません。

ライブノートは AI がスマートフォンの中にあるので、機内モードでも同じように動きます。付加機能ではなく、オンデバイス処理を選んだ当然の帰結です。

壁その三:言語、とりわけ一文に二言語が混ざるとき

差が最も大きく、そして国境をまたぐチームにとって最も切実な項目です。

Granola の対応言語は端末によって違います。パソコン版は約 30 言語(広東語を含む)ですが、スマートフォン版は 17 言語で、広東語は入っていません。しかもモバイルでは言語が自動判定され、会議中ずっと固定で、途中で切り替えられません。要約の言語も判定された主要言語に従い、手動指定はできません。さらに、終わった会議の全体をあとから翻訳することはできず、チャット機能で文字起こしの断片を訳してもらえるだけです。アプリの画面表示自体も現時点では英語のみです。

これを現実の会議に当てはめます。発表者は英語、補足する人は中国語、そして文の途中で言語が変わる人がいる。中国語の文の真ん中に英語の地名や専門用語がそのまま入る、あの話し方です。「主要言語を自動判定して全体を固定し、途中で切り替えない」システムにとって、これは最も難しい状況です。しかもスマートフォンでは、広東語という選択肢すら存在しません。

Traverba は、まさにこの場面のために調整されています。

  • オンデバイスで 30 以上の話し言葉を文字起こしし、100 以上の言語へ翻訳できます。
  • 香港の広東語と英語の混在に特化した調整。 文の途中での言語切り替え、現地の言い回し、業界用語の混用を扱います。実験室の綺麗な単一言語音声ではありません。
  • グループノートは、同じ会議で全員が自分の言語で話し、他の人の発言を翻訳された形でその場で読める機能です。すべてが一つの共有文字起こしと要約にまとまります。ボットも、人数ぶんの通訳ライセンスも要りません。
  • メディアノートは、すでにある録音を扱います。オンライン会議の書き出しファイル、ボイスメモ、講演の動画から、同じように文字起こし、要約、次にやることを、やはり端末上で作ります。

壁その四:無料プランの崖

Granola は 2026 年に料金体系を組み替え、中間の個人向けプランを廃止しました。いまは無料版から、いきなり 1 ユーザー月額 14 米ドルのビジネス版へ跳びます。企業向けは 1 ユーザー月額 35 米ドルです。無料版の会議数は無制限ですが、履歴は 30 日しか残りません。期限を過ぎたノートは、いつでも遡れる資産ではなくなります。

「今月は会議が多い、三か月前のあの回を見返したい」という人には、この制限は思ったより早く訪れます。

Traverba の考え方は違います。全機能が無料で、広告により支えられています。 広告を見たくない人、話者ラベルや自前のクラウド AI 鍵が必要な人向けに、Basic が月額 1.99 米ドル、年額 19.99 米ドル。30 日の履歴制限はなく、無料から 1 席 14 米ドルへ跳ぶ崖もありません。


項目ごとの対照

項目GranolaTraverba ライブノート
ボットが会議に参加しないしない
音声の処理場所クラウド(外部の文字起こし・AI 事業者)既定でオンデバイス
会議音声の保存保存せず、文字起こしとノートのみ音声は端末に残る
データの保管場所文字起こしとノートは米国のクラウドあなたのスマートフォン
データを学習に利用既定で利用、除外設定あり該当なし。音声を送信しない
オフライン利用不可、通信が必要可能、完全にオフライン
対面の会議可能(端末で取り込み)可能
文字起こし言語パソコン約 30/スマートフォン 1730 以上の話し言葉
翻訳全体の事後翻訳は不可、断片のみ100 以上の言語へリアルタイム
広東語パソコン版はあり、スマートフォン版はなしあり。言語混在に合わせて調整
会議途中の言語切り替えモバイルは単一言語に固定混在と切り替えに対応
多言語が同席する会議専用機能なしグループノート:各自が自分の言語で
アプリ表示言語英語のみ多言語
対応端末パソコン、スマートフォン、腕時計スマートフォン(Android、iOS)
無料プラン会議数無制限、履歴は 30 日まで全機能、広告あり、履歴の期限なし
有料プラン1 ユーザー月額 14 米ドルから月額 1.99 米ドル/年額 19.99 米ドル
外部連携深い(ノート、顧客管理、チャット、自動化)PDF、DOCX、テキストで書き出し

では、どちらを選ぶか

Granola のほうが向いている場合:

  • 仕事の拠点がパソコンで、常駐してカレンダーと密に結びつくツールがほしい
  • ノートツールや顧客管理システム、チャットとの深い自動連携が目的
  • チームで共有するノート空間と管理者権限が必要
  • 会議がほぼ単一言語(特に英語)で、クラウド処理が組織として承認済み

Traverba のライブノートのほうが向いている場合:

  • 会話が送信できないほど機微である。法務、人事、取締役会、医療、顧客、企業買収
  • 通信のない場所で記録することが多い。機内、地下、工場、移動中
  • 会議が単一言語ではない。とくに複数の中国語系言語と英語が混ざる場面
  • 一つの会議で全員が自分の言語で話し、それでも共有のノートが一つ残ってほしい
  • パソコンの前ではなく、スマートフォンで対面の場を記録することが多い
  • 無料版の 30 日制限と 1 席月額 14 米ドルの二択にしたくない

両方を使い分けている人も少なくありません。パソコンの前で行う社内の英語会議は既存のツールに、外出先の・機微な・多言語の場面は手元に残るほうに。矛盾ではありません。もともと解く問題が違うのです。


一言でいう違い

Granola は会議室からボットを取り除きました。これは本物の前進であり、支持されるだけの理由があります。

しかしボットは、いちばん目立つ部分でしかありませんでした。その音声が文字になるために誰かのサーバーへ飛んでいくのなら、解決したのは気まずさであって、プライバシーではありません。

Traverba のライブノートは、処理の流れ全体を手元に残す道を選びました。音声は端末を離れず、通信がなくても動き、二つ三つの言語が混ざった会議もちゃんと読める形で返ってきます。

無料で入れて一回の会議で試すほうが、比較記事を十本読むより正確です。Google PlayApp Store、会議やイベント向けの案内は traverba.com にあります。


Traverba のライブノートは既定でオンデバイス動作です。一部機能はクラウド AI を選択できます。Granola に関する記載(処理方式、対応言語、プラン、価格)は 2026 年 9 月時点の公式ドキュメントおよび公開情報に基づきます。これらは頻繁に変わるため、判断の前に提供元で最新の条件をご確認ください。録音に関する法令と同意要件は国や地域により異なります。お住まいの地域の規定に従って録音の告知を行ってください。文字起こしと翻訳の品質は言語、なまり、音声環境、端末により異なります。