AI議事録ツールの公式料金表は、たいてい見栄えよく作られています。無料プランが1つ、有料が1〜2つ、月額もそれほど高く見えません。ところが実際に使い始め、チーム全員分を支払う段になって多くの人が気づきます。無料プランの「無制限」にはたいてい前提があり、「1人あたり月数ドル」も人数を掛けると決して安くない、と。
本記事は機能の優劣を論じません。ひとつのことだけをはっきりさせます。Otter・Fireflies・Notta・Fathom・tl;dv・Granola・Read AIは、結局いくらかかるのか? 無料でどこまで使えるか、有料はいくらから始まるか、見落としがちな隠れコストは何か。末尾には料金比較表とチーム費用の試算を載せ、「リアルタイム翻訳型」の解決策(Traverbaなど)がなぜ異なる料金モデルを採るのかも中立的に説明します。
すべての数字は2026年年央時点の公開情報を反映しています。各社は頻繁に価格を改定するため、実際は各社最新の公式発表が優先します。同じ製品でもページによって価格が食い違うことがあり(多くは月払い/年払い、キャンペーン、為替換算によるもの)、可能な限り条件を明記しました。
30秒でわかる要点
- 無料プランは2派に分かれる: 一派は分数で頭打ち(Otterは月300分、Nottaは月120分)。もう一派は録音・文字起こしは無制限だが、AI要約の回数や保存を制限(Fathomは月5回の要約、tl;dvは月10回の要約、Read AIは月5回のミーティング、Firefliesはチーム共有で400分の保存かつダウンロード不可、Granolaは約25件のノート/30日間の履歴)。「無制限」とはたいてい録音のことで、AIのことではない。
- 有料は多くが「席(per seat)課金」: 個人プランは約US$8〜20/月、チーム/ビジネスプランは約US$15〜59/席/月。人が増えれば毎月の請求はそのまま「単価 × 人数」になる。
- 隠れコストに注意: AIクレジットの追加購入(Fireflies)、リアルタイム翻訳が別売り(Notta)、最低席数の縛り(Fathomのチーム版は最低2席、Read AIの企業版は最低10席)。
- 料金モデルが異なる一群: リアルタイム文字起こし+リアルタイム翻訳に特化した解決策(Traverbaなど)は「席ごと・事後の議事録」路線をとらず、料金は通常**単一の低額月額または無料(広告収入型)**で、リアルタイム翻訳は標準搭載で追加購入ではない。
以下、項目ごとに掘り下げます。
まず3つの料金ロジックを押さえる
比較の前に、この市場の3つの課金構造を理解しておきましょう。そうすれば、どの数字が自分にとって重要かがわかります。
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無料プラン:「分数」で頭打ちか、「AI回数」で頭打ちか? これで、あなたが最初にどの壁にぶつかるかが決まります。利用量が少なくたまに会議をする人なら、分数制(Otter/Notta)で足りるかもしれません。頻繁に会議をするがたまに要約が欲しいだけの人なら、「無制限録音・要約は制限」の派(Fathom/tl;dv)のほうが得だと感じるでしょう——週に要約したい会議が無料枠を超えるまでは。
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有料プラン:ほぼすべてが「席課金」。 表示価格の「US$10/席/月」は安く見えますが、これは1人あたりの値段です。10人のチームがビジネス版を採用すれば、請求は10席から始まります。評価するときは必ず「単価 × 実際の席数」で計算し、単価だけを見てはいけません。
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追加購入と下限:本当の総コストはここに隠れている。 一部の機能(高度なAIクレジット、リアルタイム翻訳、CRM連携)は別途購入が必要です。プランによっては最低席数が設定されており、たとえ3人しかいなくても、ある下限まで購入を求められることがあります。これらはすべて実際の支出を押し上げます。
料金比較表(2026年年央)
下表は各社の無料枠・有料スタート価格・よくある隠れコストを整理したものです。価格は多くがドル建て・四捨五入。「年払い」は年額課金を月割りした価格で、通常は月払いより安くなります。
| ツール | 無料プラン(主な制限) | 有料スタート価格(年払い・概算) | 月払い価格 | チーム/ビジネス版(年払い・概算) | よくある隠れコスト |
|---|---|---|---|---|---|
| Otter | 月300分、1回あたり上限30分、生涯で3回のファイル取り込み | Pro US$8.33/人/月 | Pro US$16.99 | Business US$19.99/席/月(月払い約US$30) | 無料のファイル取り込み回数が極端に少ない |
| Fireflies | 文字起こし無制限だが、チーム全体で保存400分のみ、かつ書き起こしのダウンロード不可 | Pro US$10/席/月 | Pro US$18 | Business US$19/席/月(月払い約US$29);Enterprise US$39 | AIクレジットは一度きりの共有プール(Pro 20/Business 30)、多用する場合は追加購入が必要 |
| Notta | 月120分、1回あたり上限3分 | Pro 約US$8.17/月 | Pro US$13.99 | Business US$16.67/席/月(月払い約US$27.99) | リアルタイム翻訳/二言語文字起こしは別売り、約US$6/月から |
| Fathom | 録音・文字起こしは無制限だが、AI要約は月5回のみ | Premium 約US$15/月 | Premium 約US$19〜20 | Team 約US$15〜19/席/月;Business 約US$25〜34 | チーム版は最低2席;無料で5回の要約を超えると基本テンプレートしか残らない |
| tl;dv | 録音・文字起こしは無制限だが、AI要約は月10回のみ | Pro US$18/席/月 | Pro US$22 | Business US$59/席/月 | Businessの単価が高め;一部の高度機能はPro以上に紐付け |
| Granola | ミーティング無制限だが、約25件のノート/30日間の履歴が上限 | Business US$14/席/月 | US$14(年払い割引なし) | Enterprise US$35/席/月 | 無料と有料の間に中間プランがなく、上限を超えるとビジネス版へ昇格が必要 |
| Read AI | 月5回のミーティング、ファイルアップロード不可 | Pro US$15/席/月 | Pro US$19.75 | Enterprise US$22.50〜29.75/席/月 | 企業版は最低10席;一部の連携はPro以上に紐付け |
注意: 上表の数字は「おおよその価格帯と課金方式」を理解するためのもので、リアルタイムの見積もりではありません。キャンペーン(例:tl;dvは長らく年払い割引あり)、為替、地域の税金などが最終金額に影響します。申し込み前に公式ページを基準としてください。
無料プラン:「無制限」という言葉の本当の意味
近年、多くのツールが「無料・無制限録音」をうたっており、とても魅力的に聞こえます。しかし細則を広げてみると、「無制限」はほぼ録音と文字起こしだけを指し、本当に価値のあるAI要約こそが制限されている、とわかります。
- Fathom: 無制限録音・無制限文字起こし・無制限保存だが、AI要約は月5回だけ、その後は通常テンプレートしか残らない。週に1回以上会議をし、毎回要約が欲しい人には無料はすぐ足りなくなる。
- tl;dv: 同じく無制限録音だが、AI要約は月10回。
- Read AI: 無料は月5回のミーティング、しかもファイルアップロード不可。
- Fireflies: 文字起こしは無制限だが、チーム全体で保存400分のみ、かつ書き起こしのダウンロード不可——つまり無料版はデータを保持できない。
- Granola: ミーティングは無制限だが、無料では約25件のノート/30日間の履歴しか保持されず、古いノートはアプリ内で見られなくなる。
- Otter/Notta: 従来型の分数制(月300/120分)で、しかも1回あたりの時間上限(30/3分)もあり、長い会議1回で枠の大半を一気に使ってしまうこともある。
見方: 無料で足りるかどうかは「会議の頻度」と「毎回要約が要るか」で決まります。たまに会議するだけなら分数制でたいてい持ちこたえますが、毎日会議しAI要約も欲しいなら、多くは2〜3週間で無料の壁にぶつかります。
有料プラン:「席」を最後まで掛け算して見る
有料プランで重要なのは単価ではなく、単価 × 席数です。10人のチームを想定し、各社の**ビジネス/チーム版(年払い)**でざっくり試算してみましょう。
| ツール | ビジネス版単価(年払い・概算) | 10人チーム月額・概算 | 年間・概算 |
|---|---|---|---|
| Notta Business | US$16.67/席 | US$167 | 約US$2,000 |
| Fathom Team | 約US$15/席 | 約US$150 | 約US$1,800 |
| Fireflies Business | US$19/席 | US$190 | 約US$2,280 |
| Otter Business | US$19.99/席 | 約US$200 | 約US$2,400 |
| Read AI Enterprise | 約US$22.50/席(最低10席) | 約US$225 | 約US$2,700 |
| Granola Business | US$14/席(年払い割引なし) | US$140 | 約US$1,680 |
| tl;dv Business | US$59/席 | US$590 | 約US$7,080 |
(以上は目安の試算で、四捨五入。税金・キャンペーン・追加購入は未計算。実際は公式見積もりを基準としてください。)
ポイントは誰が最安かではなく、こうです: 席課金では、コストはチームの拡大とともに直線的に増えます。あなたが払うのは「人数」であって「利用量」ではありません。使うのが1〜2人だけなら、個人Proプラン(約US$8〜20/月)がたいてい最もお得です。いざチーム全員で採用するなら、席数を掛け合わせ、最低席数の下限がないかを必ず確認しましょう。
見落としがちな隠れコスト
席あたりの月額のほかに、以下の項目はぱっと見の料金表には載っていないことがよくあります。
- AIクレジットの追加購入。 たとえばFirefliesのAI機能は「クレジットプール」制で、各プランに一定の枠が付きます(Pro 20/Business 30 など)。要約・タスク・AI Q&Aを多用する人は、追加のクレジットパックを買う必要があるかもしれません。
- リアルタイム翻訳が別売り。 たとえばNottaは書き起こしの翻訳はプランに含まれますが、リアルタイム翻訳/二言語文字起こしは独立した追加購入(約US$6/月から)です。欲しいのが「会議のその場で訳文を見る」ことなら、この費用は別勘定になります。
- 最低席数。 Fathomのチーム版は最低2席、Read AIの企業版は最低10席。人数が少なくても下限まで購入を求められることがあります。
- 年払いの縛り。 「安い単価」の大半は年払いを月割りした価格、つまり1年分を一度に払うことになります。月払いは柔軟ですが単価は明らかに高くなります(例:Otter Proは月払いUS$16.99 vs 年払いUS$8.33)。
これらを織り込むと、帳面上「US$10/席」のプランでも、実際の総コストはかなり高くなることがあります。
中国語・広東語・「リアルタイム」:もうひとつの料金モデル
上記の7製品は、本質的にはいずれも優れた事後の議事録ツールであり、課金ロジックも「席ごと・事後・クラウド」を軸にしています。単一言語で事後要約が中心の多くのチームにとって、これは理にかなっています。
しかし、これらがあまりカバーせず、かつコスト構造を直接左右する、よくある2つのニーズがあります。
- 中国語、とりわけ広東語や広東語・英語の混在。 「中国語対応」はしばしば標準語(普通話)を前提とし、公式の対応言語リストに広東語を明記している主流ツールは多くありません(Nottaは数少ない一つ)。会議で「我想去 Causeway Bay 開會」(=「Causeway Bayへ会議に行きたい」)のような混在文がよく出るなら、有料の価値があるか判断する前に、実際の録音で認識精度を試しましょう。
- 事後ではなく、リアルタイム。 これらのツールは多くが会議後に完全な書き起こしと要約を渡すもの。会議のその場で全員が即座に互いを聞き取れるようにしたいなら、たいていリアルタイム翻訳を別途購入する必要があるか、そもそも設計の範囲外です。
まさにこれこそ、料金モデルの異なる一群の解決策が存在する理由です。Traverbaを例に挙げると、これは「席ごと・事後の議事録」をもう一つ作るのではなく、リアルタイム文字起こしとリアルタイム翻訳を一つに統合しており、料金もそれゆえ異なります。
- 無料で使える・広告収入型 —— コア機能は無料で、広告で支える。月ごとの分数の壁はなし。
- 有料は単一の低額月額 —— Basicは約**US$1.99/月(またはUS$19.99/年)で、広告を除去し、話者ラベル(分離)と独自の大規模言語モデル持ち込み(Bring Your Own LLM)**を解放。これは席数で積み上がるのではなく、個人向けの統一価格です。
- リアルタイム翻訳は標準搭載、追加購入ではない —— 話すと同時に字幕と訳文が一緒に表示され、参加者はQRコードをスキャンするだけで自分のスマホに自分の言語のリアルタイム字幕が出る。
- 広東語優先 —— 香港の広東語・英語混在やローカルな言い回しに特化して最適化しており、まさに汎用ツールが弱いところを補う。
- オンデバイス優先 —— 音声認識は既定で端末上で動作し、翻訳やクラウドAIは任意。機密性の高い会議に一層の管理を与える。
- 事後も一通りそろう —— 会議後には完全な書き起こしと翻訳をエクスポートできる。
はっきりさせておきます。これは同種製品の高い・安いの比較ではありません。 英語会議の事後要約と深いCRM連携が欲しいなら、上記の7製品は今も非常に良い選択です。Traverbaが埋めるのは「多言語で、その場で互いに聞き取りたい」という隙間で、その状況において比較的シンプルで予測しやすい価格を提供します。
どう選ぶ? 価格で見る意思決定チェックリスト
利用量が少なく、たまに会議、ゼロコストで済ませたい——
- 分数で足りるなら分数制(Otter/Nottaの無料)。会議は多いがたまに要約が欲しいだけなら「無制限録音」派(Fathom/tl;dv/Read AIの無料)を選び、ただしAI要約の回数上限に注意。
1〜2人が多用し、事後要約と連携が欲しい——
- 個人Proプラン(約US$8〜20/月)を比較。中国語に優しいのはNotta、英語エコシステムが成熟しているのはOtter、無料が寛大なのはFathom。
チーム全体で導入したい——
- 「単価 × 席数」で計算し、最低席数と追加購入項目を確認。予算に敏感ならGranola/Fathomの比較的低いビジネス単価に注目、機能の網羅性重視ならFireflies/Otter。
リアルタイム翻訳、または広東語中心の多言語会議が必要——
- 「リアルタイム翻訳が別売りか」に注意。会議のその場で全員が即座に理解したいなら、リアルタイム翻訳型の解決策(Traverbaなど)を検討。料金は通常、席ごとの積み上げではなく、単一の低額月額または無料です。
今すぐチェック
「最も安いAI議事録ツール」というものは存在せず、あるのは「あなたの使い方に最も近く、総コストが最も低い」一本だけです。まず3つを問いましょう——無料は分数で頭打ちか、AI回数で頭打ちか? 有料は席課金で、何人を掛けるのか? 最低席数と追加購入はあるか?——そのうえで上の比較表と試算に照らせば、たいてい1〜2の候補に絞れます。あとは自分で試して決めましょう。
もしあなたの重点が多言語のリアルタイムコミュニケーションで、しかも予測しやすい価格なら:Traverbaは会議・イベント向けにリアルタイム文字起こし+リアルタイム翻訳を提供します。話者は1人、100以上の言語、参加者はQRコードをスキャンするだけで自分の言語のリアルタイム字幕を見られ、会議後も完全な書き起こしと翻訳をエクスポートできます。会議・イベント向けプランはtraverba.comをご覧ください。個人向けのリアルタイム翻訳はアプリの無料ダウンロードも可能で、Google PlayとApp Storeの両方で提供しています。
本記事で触れたOtter・Fireflies・Notta・Fathom・tl;dv・Granola・Read AIなどの製品の無料枠・有料価格・追加購入項目・言語対応は、2026年年央時点の公開情報を反映しており、随時更新される可能性があります。各数字(チーム費用試算を含む)は比較しやすくするための四捨五入した目安であり、リアルタイムの見積もりではありません。実際の金額は各社の公式発表を基準とし、月払い/年払い、キャンペーン、税金、地域、為替により異なる場合があります。Traverbaの価格(広告収入型で無料;Basicは約US$1.99/月またはUS$19.99/年)も変更される可能性があり、公式ページを基準としてください。すべてのブランドおよび商標は各所有者に帰属します。